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箱館奉行所(五稜郭) [函館]

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館に「五稜郭」があるのは有名であるが、「四稜郭」(しりょうかく)というものがあるのをご存じだろうか?

いえいえ、嘘ではありません。

地元の人ならば、小学校の遠足などで一度は出かけたことがあるはずです。

この「四稜郭」、「五稜郭」と同じ洋式築造法にならって当時の蝦夷共和国、いや旧幕府脱走軍が築いたもので、明治2年(1869)の竣工。

京唄子の旦那、鳳啓介が設計したと言われ…… 

ん?

いや、旧幕府脱走軍 陸軍奉行の大鳥圭介が設計したとも言われ、その形は蝶が羽を広げたように四角い「四稜」の形をしている。

「五稜郭」から約3km離れた丘の上にあり、歴史上すこぶる貴重な史跡なのだ。

すこぶるといっても、何もコワモテの旦那のように「すごぶる」わけではない。

昭和9年(1934)、国指定の史跡となるものの知名度は低く、ずいぶんと扱われ方がぜんざい、いや、ぞんざいであった。(笑)

それもそのはず。

ここは、一般の観光客にとって何一つとして見どころがないのだ!
 

蝶の羽といわれても、上から見て初めてその形がわかるのだが、近くに見下ろすような高い建物は何一つない。

いや、築造以来、未だかって高い建物などあったためしがなく、その姿はナスカの地上絵のごとく神か鳥にしか判別できない。

売店もない。

お堀もない。

言ってみれば、ただの土手。

何もないのは襟裳岬だけではなかった。

この「四稜郭」こそ、正真正銘の  ♪ なにも~ない~  観光地なのだ!

それがこれ ↓

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いかがでしょう?

これ以上期待しても、本当に何もありません。(笑)


 


 

さて、ここからが本題である。

宗男は、何もない「四稜郭」をこよなく愛する者だが、残念ながら宗男が愛しただけでは観光客は一人も来ない。

やはり舞台を、全国的に有名な「特別史跡 五稜郭」へと移すとしよう。 





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いや~!

絶景ですね。

ドローンを使って、空から写してみました。

どうりで、空がドローンとしてます。

……って、嘘ですね。

やっぱり新五稜郭タワーから見下ろす景色が一番です。

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「箱館奉行所」

平成22年(2010年) 竣工(復元)。

設計:(株)文化財保存計画協会。

施工:箱館奉行所庁舎復元工事共同企業体(代表:竹中工務店)。

木造平屋建て。

もともとは、元治元年(1864年)、五稜郭と共に竣工。

五稜郭の設計は、武田斐三郎。

奉行所の普請は、江戸の中川伝蔵(代人:伊兵衛)による。

箱館山の麓にあった簡素な役所から、五稜郭に移転する。



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★ 

この「五稜郭」、実は数年前までは「四稜郭」と同じで中には何もなかったのである。

端っこに古びた倉庫があったくらいで、観光の目玉となるものは何もなかった。

そもそもこの五陵の土塁自体が目玉なのだが、タワーに上らなければその全貌が見えない。

全国的に有名であっても、これほど面白くない観光地が他にあるものかっ!

……と、むかし近くの高校へ通っていた宗男は常日頃からそう感じ、放課後には人目のつかない土手の裏で熱く彼女の……

いや、熱く朋友と建築論議を交わしていた。

これではいけない!

江戸幕府最後のお役所を、単なる花見の名所や、アベックの巣窟としておいてよいのだろうか?

その悶々たる熱い思いがお上に通じ、ようやく平成22年に箱館奉行所が復元された。

苦節30年……

いや、宗男の思いと復元工事とは全然関係ありませんが。(笑)

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「五稜郭」といえば、従来の日本式築造法ではなく、ヨーロッパにみられる城塞都市をモデルにした画期的な洋式建造物である。

設計は蘭学者の武田斐三郎。

なんと、土塁の形が星型であるということが、いかに青少年のロマンを刺激したことか。

かつて、その中央に位置したお屋敷は、さぞかし立派な洋風建築だったに違いない。

ゴシック様式か?

それともロマネスクか?

いやいや、堅牢さを誇るピラミッドか?……

しかし、こうした宗男の妄想はことごとく崩された。

4年の歳月を経て工事用の仮小屋から出てきたその姿は……

なんと、純和風のお屋敷であった。(笑)

やはりお奉行様は、畳の部屋がよかったみたいです。

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とはいうものの、大きな入母屋屋根に太鼓櫓がそびえたつ、堂々たる和風のデザインである。

中央の玄関は、反りのきいた「千鳥破風」(ちどりはふ)。

向かって左の内玄関は、むくりのついた「むくり破風」(むくりはふ)。

二つの破風(はふ)がそろい踏み。

なんともハフハフしたデザインです。(笑)

妻には大きな「懸魚」(げぎょ)もついている。



トイレは、基本的に現代建築におけるオフィスビルのそれと同じプランである。

奥に大便器が一つあり、手前に小便器が置かれている。

廊下に面して、手洗いが一つあるというしつらえ。

大便器の間仕切りも天井がOPENになっていて、まさにトイレブースの原点である。

なぜだか小便器にも取っ手がついており、バリアフリーの先駆をなす。

ちょっと掴みづらい取っ手であるが、あるだけで取っ手も、いやとっても便利です。(笑)

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手洗いもINAXのボウル型……、いやおしゃれなデザインです。

水は湧いてこないけど、手を洗うたびに湧く湧く心が踊ります。(笑)

お奉行様は、ここでスリッパに履き替えて……

いや、当時スリッパがあったかどうか知りませんが、とにかくリッパなトイレですね。

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特筆すべきはこのお奉行所、正面から見て太鼓櫓の位置が中央ではなくやや右寄りにずれていることだ。

当時の写真が残っているので、これは何かの手違いではない。 

なぜにシンメトリーを避けアシンメトリーとしたのか?

その理由は定かではないが、幕府は左寄りより右寄りを良しとしたに違いない。(笑)

それかあらぬか、大政奉還による江戸幕府の崩壊で、この奉行所は4年余りでその機能を終了し、明治政府のお役所に引き継がれることになる。

残念ながら明治政府は畳がお嫌いだったようで、明治4年(1871)に開拓使によって解体されている。

7年の歳月をかけて完成した奉行所ではあったが、竣工後7年で取り壊されるというはかない運命であった。

移転後最初の箱館奉行を務めた小出秀実は、二度とスリッパははかないと心に決めた。

いや、もちろん嘘です。(笑)

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発掘調査は昭和60年(1985年)から始まり、平成18年(2006年)から工事が開始。

そして平成22年(2010)に、140年の時を超えて少女が駈けて来……いや箱館奉行所が再現された。

復元範囲は全体の1/3程度(約1,000㎡)で、全国からよりすぐれた宮大工をはじめとする職人が集結したという。

できる限り当時と同じ材料と手法で、同じ位置に復元することを目指した。

工事中のDVDが出ているので見てみたが、やらせのない(?)なかなかの感動ドラマである。

まさに、日本伝統建築の匠の技によるものだが、限界耐力計算も行われたという。(笑)

特別史跡の復元ということで地面を掘削することが許可されなかったらしく、基礎はH鋼とコンクリート塊を組み合わせた、現代的な工法によった。

ただし、いま世間を騒がせている「免震ゴム」は一切使われていないようだから、まあその点は安心ですね。(笑)


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ちなみに……

横浜生まれ函館育ちの作家、森 真沙子さんの時代小説に『箱館奉行所始末』シリーズという本があります。(二見時代小説文庫)

凄腕の箱館奉行・小出大和守秀実(こいでやまとのかみひでざね)と、支配調役・支倉幸四郎(はせくら こうしろう)が繰り広げる異端時代劇。

宗男の好きな鳥類学者ブラキストン、蝦夷絵師の平澤屏山、京唄子の旦那、鳳啓介……いや、これは出てきませんね。(笑)

箱館奉行を訪れる前に読んでおくと、より一層楽しく見学できます。

少なくとも、宗男の解説よりはよほどためになります。

ただ今、三巻まで発売中!

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↑ 新しくなった、新五稜郭タワー!


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コメント 14

カンパネルラ

ご無沙汰しております。久しぶりの記事は大容量、読み応えたっぷりで、復活が嬉しいです。
五稜郭って、奉行所が再建されるまで、中身なかったってのに驚きです。
これで入場料が取れるようになったのかな?(その前から入場料あったのかな?)
千鳥とむくりのふたつの破風は親子のような夫婦のような、素敵な作りですね。偉い人は右から、偉くない人は左からって感じなんですかねぇ?
アシンメトリーの方がお洒落ですよね。

by カンパネルラ (2015-04-23 21:48) 

あおい君と佐藤君と宗男議員

>カンパネルラ様
こちらこそ、ご無沙汰しております。
そうなんですよ。
五稜郭自体は入場無料で、ほんと何もなかったんです。
(古い倉庫が一つだけあった)
中では運動会なんかをよくやってました。
お堀には、昔からボート乗り場がありましたが。
また、函館公園に並ぶ、花見会場で有名でした。

右側には寺社溜、中番詰所、四ノ間、三ノ間、二ノ間、壱ノ間と続きます。
左側には、足軽詰所、同心詰所、諸道具置場といった具合ですから、
まあ、カンパネルラさんのご明察の通りですね。
by あおい君と佐藤君と宗男議員 (2015-04-24 22:11) 

まつみママ

今日は~^^\(^o^)/
お久し ブリブリ で~~^したvv(笑)
と カキコする前に何度も涙で目が 滲んで しまいました。
変わらぬ楽しさ オモロさの” 宗雄節 ” に笑いこけて涙が・・ です
すみません!1本当は 笑うなどとは 失礼千万な事柄ですのにねッ
元々この様な建造物に関しての知識など 毛頭  微塵すらなく
観光で訪れて眺める範囲内で しかも 外観的な良し悪しの判断で
記憶に残る程度でしたから 
お菓子さ・・・ いえいえ 可笑しさを交えて専門的な分野の解説には
読み進んで行く内に・・ ウッカリと・・すっかり囚われてしまいまする 笑 有難う御座いました <(_ _)>
で・・・   この後 又暫し雲隠れでしょうか? 笑 
お仕事が 先決v! 先ず第一ですから 励んで下さりませま
いつか 又 ” ひよっこり ひようたん島~♪ ” 的にでもヨロシクです
それまで 私 生きて頑張ります ブッ 爆
と 久々に 御機嫌良く お馬鹿な事カキコして見ました (笑)

by まつみママ (2015-04-25 17:24) 

八犬伝

おおっ、宗男議員
生きておたっか
それは、何より。

四稜郭いいんでないの
何もない春。
by 八犬伝 (2015-04-26 00:31) 

あおい君と佐藤君と宗男議員

>まつみママさま
こちらこそ、おひさしぶりです~。
お元気のようで、何よりです。
涙で目を滲ませてしまって、申し訳ございませんでした。(笑)
去年は、大腿四頭筋断裂という怪我をしまして、残念ながら、もう100mを9秒台では走れなくなりました。
……って、嘘ではないですが、大げさですね。(笑)
足も治ったことだし、またぼちぼち外を出歩きます。
末永く走り、いや、歩き続けますので、どうぞよろしく♪
by あおい君と佐藤君と宗男議員 (2015-04-26 00:38) 

あおい君と佐藤君と宗男議員

>八犬伝さま
おや、7秒遅れで投稿してしまいました。(笑)
大変ご無沙汰しております。
はい、生きておりました。

で、四稜郭。
何もない春にはまだ早く、冬景色でした。


by あおい君と佐藤君と宗男議員 (2015-04-26 00:42) 

旅爺さん

五稜郭は2度行きましたが四稜郭があるのは知りませんでした。
観光コースには入ってないですよね。奉行所は立派ですね。
by 旅爺さん (2015-04-26 12:39) 

あおい君と佐藤君と宗男議員

>旅爺さん
五稜郭、二度もいかれましたか。
ありがとうございます。
四稜郭は、観光地としては整備されておりません。
滅多に、人も来ませんから。(笑)
by あおい君と佐藤君と宗男議員 (2015-04-26 15:55) 

opas10

久しぶりの宗男節復活!五稜郭といえば、自分のイメージは塩ラーメンの名店がある、ってな感じで(笑)。ちなみに自分の前職の同僚が、函館の大学(公設民営)の先生になって五稜郭に住んでいます。
by opas10 (2015-04-27 22:42) 

ふゆん

宗男さんおひさだー!
元気してました?
さいきん仁というドラマの再放送みてたから
大政奉還てきくと坂本竜馬が暗殺がぎゃーで
どきどきする(ノ∀・)ノ
by ふゆん (2015-04-28 04:51) 

あおい君と佐藤君と宗男議員

>opas10さま
ご無沙汰しております。
塩ラーメンですか?(笑)
昔は満龍というラーメン屋さんがあったんですけど、今はどうかな?
2Fに上がると、誰もいないんです。(笑)

>ふゆんさま
おひさしゅうございます。
相変わらず、お元気のようで何よりです。
函館は、坂本竜馬はあまり関係ありませんが、土方歳三が戦死した場所として有名です。
ドキドキします。(笑)

by あおい君と佐藤君と宗男議員 (2015-04-29 06:09) 

高穂

遅ればせながらのナイスでございます::
外観は湯バーバでもいそうな佇まいですが
中は木材や畳のいいにおいがしそうなすっきりしたええ感じなのですね.
わたくし分厚い木材の上歩くのとか好きでございます*
by 高穂 (2015-05-12 00:39) 

あおい君と佐藤君と宗男議員

>高穂さま

お久しぶりで、ございます。
湯バーバはおりませんでしたが、ただのバーバはたくさんおりました。(笑)
>わたくし分厚い木材の上歩くのとか好きでございます*
いいですね。
最近の床は、薄い合板ばかりで、味気ないです。

by あおい君と佐藤君と宗男議員 (2015-05-28 11:58) 

二兎丸

昔はホント何にもなかったよねぇ。
四稜郭も行ったけど、外からだと分かんないの(泣)
今だったら、ドローンとかで見られるのかな。

長野の佐久にも五稜郭あるよね。
by 二兎丸 (2015-09-05 09:35) 

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