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安楽寺八角三重塔 [長野県]

DSC06351.JPG

度を過ぎた幾何学はバロックになる! 

かつて宗男はこんな「かっこいい」ことを言っていたが、今回取り上げるのはバロック建築ではありません。(笑)

れっきとした唐様(からよう)、即ち禅宗様(ぜんしゅうよう)の建築である。

アンタッチャブル山崎さんの「からの~」ではありません。

そういえば、かつて澁澤龍彦も日本人の幾何学的精神の欠如を嘆いていた。

いや、大丈夫です!

ちゃんと日本人にも、幾何学的精神は持ち合わせております。

  

 

安楽寺八角三重塔。

鎌倉時代末期(1277年~1333年頃)の建立。

裳階付き三重塔、こけら葺き

禅宗様(唐様)。

国宝(昭和27年長野県初の指定)。

長野県上田市別所温泉。

DSC06340.JPG

如何でしょう?

見事なフォルムです。

でも、ちょっと普通の三重塔と違いませんか?

はい、まずは三重ではなく四重に見えるでしょう。

これは1層目は屋根ではなく「裳階」(もこし)というものがついているからなのです。

おばあちゃんの「おこし」とは違います。 ←って、「裳階」を説明するときはいつもこれを使っちゃいますね。(笑)

裳階は本来の屋根とは違って、軽微な庇のようなものです。

有名な薬師寺の東塔などは三重塔なのにも関わらず、各層に裳階がついているので実際には六重塔に見えてしまいます。

……ですが、ポイントはそこではありません。(笑)

おばあちゃんの「おこし」の話などは気にせずに、TOPの写真を見てどことなく建物がゆがんで見えませんか?

そうなんですよ、川崎さん! ←これも、古いギャグなのでスルーしてください。(笑)

一般的な塔は屋根の形が四角い形をしておりますが、この建物、実は八角形の屋根の形をしているのです。

いや、これもタイトルからすぐわかりましたね。(笑)

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現存する木造の八角塔は日本にはこれしかありません。

しかも八角形の建物におばあちゃんのおこし、いや裳階がついているのもこれだけなのです。

これがポイントです。(笑)

したがって、ちょっと角度を変えてみると、どこかゆがんだ形に見えてしまいます。

いかがです?

これぞ、バロック! という感じがいたしませんか?(笑)

3枚目の写真は、ゆがんで見えない位置から見上げたもの。

「見上げたもんだよカエルの何とか」という寅さんの口上がありましたが、これはしょんべんではなく(あっ! 言ってしまった)、どことなく、開いたマツタケの裏側のひだを思い浮かべてしまいます。

  

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安楽寺は曹洞宗のお寺さんですが、元々は鎌倉の建長寺にも並ぶ日本で最も古い臨済宗寺院の一つであったと言います。

いずれにしても禅宗の寺院であり、その建築様式も「禅宗様」(ぜんしゅうよう)の特色を多く備えております。

ちなみに「禅宗様」(ぜんしゅうよう)とは、もともと「唐様」(からよう)とも言われていたのですが、鎌倉時代に「宋」(そう)から伝わってきた様式で、「唐」(とう)の様式と勘違いされる、それならば禅宗にともなって伝わってきた様式なので「禅宗様」(ぜんしゅうよう)と言うことにしよう!

……と、偉いお方が決めたそうです。

まあ、初めから「唐様」と言わなければよかったんですがね。

「宋」(そう)から伝わったのだから「そうよう!」とか。(笑)

すなわち、唐様でも禅宗様でも同じ意味です。

ただし「からの~」は別語です。(笑)

DSC06336.JPG

禅宗様の特徴には色々とあるのですが、まずは「扇垂木」(おうぎたるき)が一番の特徴です。

下から見上げてキノコのひだのように、即ち扇形に広がって見えるのは、この扇垂木のおかげです。

また、各層に四角い縦格子の窓が見えますが、これは「連子窓」(れんじまど)と言います。

本来ならば「加藤窓」、いや「火頭窓」(かとうまど)と言って花魁風の派手な窓が定説ですが、ここでは単純な「連子窓」を採用してます。

ご家庭にもガスレンジの用の窓がありますが、あれとは全く違います。(笑)

壁は「縦板壁」(たていたかべ)で、その上に「弓欄間」(ゆみらんま)がくねくねと横に流れております。

木組は「三手先」(みてさき)で、1層目は「二手先」(ふたてさき)と変化している。

将棋で言えば「三つ先の手」を考えることだが(うそ)、それとは全く関係がございません。

まあ「小手先」(こてさき)だけでは勝負には勝てない、と理解してください。(笑)

……と、ここまで書いて、そういえば昔「唐様」の建物を解説したことがあったっけ?

とデジャブのように思いだしました。いや、デジャブではないですね。(笑)

東京は東村山の「正福寺地蔵堂」です。

偶然ですがこれも国宝でしたね。

詳しく知りたいお方は(いやそんなお方はおりませんでしょうが)、こちらも参考にリンクを張っておきますね。

「国宝 正福寺地蔵堂」

では、今日はこの辺で。

バロックの話は、また改めていたします。

あっ! 都知事選行ってこなくちゃ!!

PS

都知事選、8:00ジャストに結果が分かるなんて、面白くないよね~。

投票しないで、出口調査だけにすればいいのに。(笑)


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八犬伝

そうなんです、宗男さん

いやあ、懐かしいフレーズだなあ。
by 八犬伝 (2016-07-31 21:57) 

あおい君と佐藤君と宗男議員

>八犬伝さま

いやー、そこにふれていただき、ありがとうございました。(笑)
by あおい君と佐藤君と宗男議員 (2016-07-31 22:06) 

袋田の住職

八角堂はいくつかみましたが、搭になっていると全く違いますね。見にいきたいです。

by 袋田の住職 (2016-08-01 04:26) 

あおい君と佐藤君と宗男議員

>袋田の住職さま
ようこそ、おいで下さいました。
お久しぶりでございます。
別所にございますので、温泉かたがたお出かけになってはいかがでしょうか。
by あおい君と佐藤君と宗男議員 (2016-08-01 08:27) 

an-kazu

爆笑しながら興味深く拝読させていただきましたm(_ _)m


by an-kazu (2016-08-01 21:44) 

あおい君と佐藤君と宗男議員

>an-kazuさま
ようこそおいで下さいました。
笑っていただいて、ありがとうございます。
更新は鈍いですが、またもこし、いやおこしください。(笑)

by あおい君と佐藤君と宗男議員 (2016-08-01 22:50) 

高穂

昨日の今日ですが押し忘れNICE押しに来ましたです;;

角が増えるとぐっと妖気感がアップしますぅ;;
中が二重螺旋構造になってて道なりに進むだけで上がって下がって
お参りできるとかいう塔もめちゃ入ってみたいです.

(ちなみに国際博物館の日の無料公開館は全国各所有るみたいです.
 行った事の無い所を狙いたいと思いながらも
 今年はワンストップで複数館廻れる上野に行きました;;
 林家カラー検証ははがれ落ちた塗料片を鑑識に!)

これからも タテモンGO! 楽しみにしておりますです^^
by 高穂 (2016-08-02 21:20) 

あおい君と佐藤君と宗男議員

>高穂さま
おお!
それは「さざえ堂」のことですね。
あれは宗男の大得意分野です。(笑)

タテモンGO!
大爆笑です。
みんな、スマホを持ってタテモン見学していたら面白いでしょうね。
座敷童とかゲットして。(笑)

by あおい君と佐藤君と宗男議員 (2016-08-03 21:40) 

まつみママ

あらら~やっぱしね
先程コメントしたにもかかわらず 
どこかに飛んで行っちゃった様です~^
つい先程 私のパソコンご機嫌斜めでしたので
もしや?と思い 様子を見に来ました
本日は遅い時間ですので 又明日にでもお伺いしますね
by まつみママ (2016-08-05 23:39) 

まつみママ

改めまして 今日は~
早々に ご訪問頂きまして 有難う御座いましたm(__)m
実は 未だかな~と 大変楽しみにお待ちいたして居りました
今回も すっかり読み返したりと 楽しませて頂きました
 ”あおい君と佐藤君と宗男議員” 実はこのネーミングの謂れ
と申しますか 決して他の人には 思いも及ばない
個性的な・・ユニークで チト長すぎる(笑)
何時か お聞きして見ようかな?と 思ってましたが
差支えなければ 教えて下さいませませ
  ↑ 決して 強制では御座いませんので 悪しからず 笑
とに角私にとって普段は滅多に目に入る事も無き国宝の建造物に 
噛み砕く様な しかも大変ユニークな解説ですので (笑)
楽しく拝見させて 頂いてます
次回を 首をながーーーくして お待ちしてますね ヨロピクvv

 
 
by まつみママ (2016-08-06 12:30) 

あおい君と佐藤君と宗男議員

>まつみママさま
こちらこそ、お久しぶりでございます。
ベッキーが一時的にも復帰したので、宗男も前記事から復帰しました。(笑)

宗男のネーミングですか?
そうですね。
古い話なので、多少齟齬があるかもしれませんが、思い出してみます。
……20世紀も終わりの頃、宗男は二つの人格を使い分けており、一つは「あおい君」でもう一つは「佐藤君」でした。(実際は他にもいて、3~5名程度だったと思います。当時、仲間内ではこれが流行してました。)
ですが、すぐに使い分けが面倒になり(笑)、ある時から「あおい君と佐藤君」という合体したハンドル名に統一しました。
ところが、これではある有名ラジオ番組と同じになると、某関係者からご指摘がありました。(笑)

一方で、当時の宗男の十八番は、とある衆議院議員の物真似で、それが大いに受けたため、ならばいっそのこと「宗男議員」というハンドルに換えました。
しかし、今度は怖い公安関係者からご指摘があるといけないと察して、三つのハンドル名を合体して「あおい君と佐藤君と宗男議員」に改めたと記憶しております。

政界の宗男議員様が議員でなくなった今でも、宗男は必死に議員を貫いてまいりました。(笑)

長々と書きましたが、どうぞお忘れください。(笑)

by あおい君と佐藤君と宗男議員 (2016-08-07 21:34) 

keisuke

ほー、そんな歴史が。。勉強になりました。
by keisuke (2016-08-16 06:52) 

opas10

加藤窓ときましたか!当方、京都の禅寺めぐりで火頭窓を楽しんでいます。
by opas10 (2016-08-22 22:01) 

(な ̄▽ ̄お)

見事な扇垂木でございますね~
宗男さんに垂木のことを教わって以来
こういったタテモンを見る際は
まず垂木チェックをしてしまっています
さざえ堂を制覇した今
次なる目標を安楽寺八角三重塔に定めたいと存じます
いつ達成できるかわかりませんが
とっても見てみたいタテモンでございます
(「タテモンGO!」素晴らしいですね!)

それと、ひとつよろしいですか?
見上げたもんなのは「屋根屋のフンドシ」で
カエルのしょんべんは大したもんかと記憶しております
結構毛だらけ猫灰だらけ俺のケ・・・
あぁ、これ以上は女子の口からは申し上げることはできません
なぜ、こんなことを記憶してるんだ私(笑)

by (な ̄▽ ̄お) (2016-09-10 03:45) 

ヴェルデ

ここ、私も行きました。花屋さんに泊まった時に。素晴らしい建築でしたわ。神社仏閣巡りを後半生のテーマとしている私的に絶対のお勧めです。お宿の方はハイシーズン急遽予約を入れたのでよい部屋はとれなかったけど、でもいいお宿でした。また行きたいな。
by ヴェルデ (2016-10-07 01:06) 

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